女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.40 骨盤の歪み その2「私たちは癒しの術を知っていた」

2017.11.23

骨盤が歪むのは、姿勢が悪かったり歩き方が悪かったり、靴が悪かったりして、膝や足首に負担がかかることが原因であり、歪まないようにする、もしくは歪みを整える方法としては、正しく歩いて全身の筋肉をバランスよく鍛える。というのが前回までのお話でした。では、全身の筋肉をバランス良く鍛えるにはどうすればいいか? 一灸先生に聞いてみました。


全身を使って歩きましょう
大前提として、骨盤が歪んでいるのであれば、鍼灸院に行って整えてもらうのが良いでしょう。ですがセルフケアの方法がない訳ではありません。正しい姿勢でのウォーキングが良いでしょう。何度かご紹介していますが、正しい歩き方をするために一番おすすめなのはポールウォーキングです。
そもそも、全身を鍛えるための正しく歩き方は、腕を振りながら脚をしっかり踏み出すこと。そのためには、左右交互に肘を引いて、上半身を適度にツイストし、おへその辺りから脚だと意識して、かかと着地から足裏をしっかり使い、つま先で地面を蹴ることが必要です。このようにすれば、膝や足首を痛めることはありません。一般的に、人間の身体は上半身をツイストして前に出した分だけ、前に出した上半身とは反対側の脚が前に出るようになっています。ただ、これを意識しながらウォーキングするのはとても難しいものです。
ポールウォーキングだとポールをつきながら歩くので、腰や脚への負担が少なく、左右のバランスを崩さずに腕を振って上体をツイストできるので、脚もしっかり動かすことができます。例えば、治療して患者さんの骨格を整えても、普段からのクセというものがあるので、次の治療までの間に、身体は自然と歪みの方向に戻ろうとしてしまいます。正しい姿勢を維持して欲しくて自宅での体操やストレッチなどをお伝えしますが、自宅で正しく身体を動かすのはなかなか難しいものです。ポールウォーキングはポールを2本持って歩いているだけで、姿勢もぶれず、一度歩き方を覚えれば、簡単に正しく身体を動かすことができます。実際に、変形性の膝関節症で杖をつかなければ歩けなかった患者さんが、毎日ポールウォーキングをやるようになって、今は杖なしで遠出できるようになりました。人間は何歳になっても必要な分の筋肉はつきます。高齢者の方でもこれだけの効果があるのですから、若い人はもっと早く必要な筋肉を手に入れることができると思います。

揺すって、振って、叩いたりして
別のセルフケアの方法として、ゆり・ふり・たたきという、日本古来の療法もご紹介しましょう。もし、瓶の中の塩が固まってなかなか出て来ないとき、みなさんはどうしますか? 叩いたり振ったりして、固まった塩を出そうとするのではないでしょうか。人間の身体も同じで、歪みによって体内の気血水の流れが滞っている場合、揺らしたり振ったり叩いたりして流れを良くする、という方法です。
脚がだるかったり痛かったりするときにこぶしでトントン叩いたりしますね。肩が凝ったら自然と腕を振ったり回したりする。これも、ゆり・ふり・たたきです。人は、ゆり・ふり・たたきで筋肉を緩めたり、経絡に気を通したり、姿勢を変えたり、内臓の働きを活発にさせたり、といったことを生まれる前から知っていて、無意識のうちに活用しているのです。もっと積極的な方法として、仰向けになって金魚運動のように身体を左右にゆらゆら揺らしたり、かかとを動かさずにつま先を起こしたり倒したりして、全身を上下にを揺らします。痛いと感じるならばやってはいけませんが、これが気持ち良ければ、その気持ち良さを味わいながら好きなだけやってみてください。
ウォーキングも、ゆり・ふり・たたきも、自らを整える術として自然と身についているのですから、不自然な姿勢や動きで妨げずに、気持ち良く身体を動かせることが大切だと思います。ベースのツボにも忘れずにお灸をしてくださいね。


金魚運動、一灸先生の指導のもと試してみました。カーペットやお布団の上だと揺らしにくいので、最初は畳やフローリングの上にバスタオルを敷いて、あまり動かないものに掴まってやると揺れやすくて簡単です。揺れる感覚がわかるようになれば、どこにも掴まらずにできるようになるそうですよ。次回もみなさんのお役に立てることを一灸先生に聞いてみます。一灸先生に聞いてみたいことがあれば、公式Facebookから気軽にメッセージをお送りくださいね。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。