女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.39 骨盤の歪み その1「歩けば良いって…本当!?」

2017.11.09

秋も深まり、冷え込む日も増えてきました。みなさん、養生していらっしゃいますか?
さて、今回もある女性のお話です。20代・ネイリストの女性は職業柄か、日頃から腰痛に悩んでいるそうです。骨盤が曲がっていると指摘を受けたものの、忙しさから何年もそのまま放置してしまっているとか。ただ、やはり気にはなっているので、セルフケア出来るのであれば、とのことでした。この女性のお悩みについて、一灸先生に聞いてみました。


歩いている? 歩けている?
ネイリストというお仕事の内容から想像すると、長時間座っていたり、細かい部分に目や神経を集中して、同じ姿勢を続けることが多いのでしょうか。
そもそも骨盤の歪みは何から来るかを考えてみましょう。椅子に座っている状態は、楽なようで腰に大きな負担がかかっています。姿勢によって、骨盤が前後や左右にずれたり、ねじれたり、といった歪みが出てしまいます。足を組むのも然り。この辺りまではみなさんご存じのようですが、あまり意識されていないのが“歩き方”です。実は歩き方も骨盤の歪みを引き起こす大きな原因なのです。最近特に強く感じるのが、歩くことの大切さです。歩くことは心肺機能を高めたり、筋肉を鍛えたり、骨粗鬆症の予防にもとても有効で身近な方法です。とは言っても、何も考えずにただ歩くだけでは姿勢のクセのまま歩くことになり、バランスは整わないし、骨盤以外の骨格にも負担がかかるでしょう。今回のネイリストの女性がそうとは言いませんが、実際にスマホを片手にうつむき加減で、ぶかぶかの靴や厚底靴を履いてアヒルのようにペタペタ歩いている若い女性がとても多いと感じます。これだと全身のうち、膝下しか使わずに歩行しているので、足首や膝に余計な負荷がかかり、そこから骨盤に影響が出てしまうのは当然の流れですし、全身の筋肉を使っていないので太りやすくもなるでしょう。歩き方ひとつ注意するだけで身体のバランスを正常に整えることは可能です。

筋肉増強ノススメ
以前にもお話ししましたが、正しく歩くには、かかとから着地してつま先で地面を蹴って踏み出す、正しい足裏の使い方が大切です。そのために、まずはスニーカーでもパンプスでも、きちんと自分のサイズの靴を履くことです。小さなお子さんも、すぐに成長するから、脱ぎ履きしやすいからといって大きめの靴を履かせていると、成長の段階で骨盤だけでなく全身の骨格の歪みに繋がることがあります。
次に身体の使い方です。自分にあった靴を履いていても、脚の力だけでいきなり正しい足裏の使い方を実践しようとすると無理がかかり、逆に膝などを痛めてしまいます。脚を正しく運ぶには、上半身の姿勢や動かし方、腕を正しく振ることなど、全身の運動が必要だからです。身体をしっかりツイストしながら全身を使って歩けば、足首や膝に無駄な負担がかからず、骨盤が歪むこともなくなります。また、このように全身を使って歩くことで、必要な場所にバランス良く筋肉がついて、骨盤が歪まなくなるだけでなく、歪みをとることにもなるのです。必要な筋肉がちゃんとつけば、正しい姿勢を保てるようになります。猫背になると骨格だけでなく内臓にも負担もかかりますから、正しい姿勢でいられることは大事なことです。さらに筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、痩せやすく太りにくい身体になります。基礎体温があがることで免疫力も上がり、身体も冷えにくくなるし、風邪も引きにくくなるでしょう。ムキムキになる必要はありませんが、筋肉をつけるということが、健康にも美容にも大きな意味を持っているのは間違いありません。


ネイリストさんは座り仕事なので職業病かも…なんて考えていましたが、筋肉をつけることで腰痛の解消につながるのなら、まだまだお仕事は続けられそうですね。次回は、どのようにして筋肉をつけたらいいのか、その方法を一灸先生に聞いてみます。みなさん、ご自分の靴のサイズを改めて確かめつつ、楽しみにお待ちください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。

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