女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.38 顎関節症その2「甘さが痛みを招いていた!」

2017.10.26

ある50代の女性を悩ませていた「顎関節症」。生活習慣に対する身体からのSOSは、ときに顎の痛みになって現れる、ということがわかった前回のお話に続き、今回はいつものようにセルフケアの方法を聞いてみました…が、しかし! 「治療より先にやるべきことがある」と一灸先生は話してくれました。


お灸さえやっておけば…では治せない
顎関節症に悩んでいるのなら、まずはしっかり休んで身体を労わりましょう。冷えを取るために温かい物を飲んだり、お風呂に入ってしっかり身体を温めること。原因が過労なら身体を休めなければいけないし、食べ過ぎならば食べ過ぎないようにしなければなりません。これこそが基本中の基本です。お灸さえやれば治る、と思っている人が多いようですが、それは違います。
脾と胃の機能低下が原因だとしたら、甘い物の摂り過ぎもいけません。五行色体表の五味を見ても、脾や胃と同じところに甘味の“甘”がありますね。例えば、せっかくお風呂で身体を温めても、お風呂上りにアイスキャンディーを食べると、身体を冷やすだけでも良くないのに、さらに同時に甘い物を摂る訳ですから、胃にはかなりの負担がかかってしまい、顎関節症を治すのは難しいでしょう。
最初に不調の原因を知る、次に不調の原因である生活習慣をしっかり改善してから、鍼灸院やお灸でのセルフケアで今起こっている不調を整える、という順番を忘れないでくださいね。
こんなとき、不調を治したいのか、アイスキャンディーを食べたいのか、葛藤する必要があると思います。私にも心当たりがありますが、人は自分に甘くなりがちです。ついつい、このくらい、明日から、とやるべきことを先延ばしにしてしまう。でも、アイスキャンディーは不調が治ってからでも食べられます。まさかアイスキャンディーが顎関節症に関係あるとは思ってもみなかった、という人も、これまで食べすぎていたと思えば、食べる量を今までの半分にしてみることは出来ますよね。もちろんアイスキャンディーは一例に過ぎませんが、暴飲暴食、不摂生、過労、身体の冷え、何か思い当たることがあれば、まずは見直してみましょう。

痛いのは右? 左?
前回もお話しましたが、本来は鍼灸院に行って、身体のバランスを整えてもらったほうが良いと思います。その上で、セルフケアをするならば、肝、腎、脾、胃経、それぞれのツボをご紹介します。まずはベースの関元と三陰。関元は元気の源、三陰交は肝・脾・腎経の交わる場所ですから、欠かさずお灸しましょう。
次に、肝経の大敦(だいとん)、冷えだったら腎経の湧泉(ゆうせん)、脾経の隠白(いんぱく)と胃経の足三里(あしさんり)もいいでしょう。今回はたくさんある訳ではないので、全部試してみていいと思います。
また、手のひらと手の甲にもツボがあります。ツボと言っても正式な名前がついている訳ではありませんが、ここも試してみてください。マッサージなら手のひら、お灸をしたければ手の甲がいいでしょう。左右どちらの顎が痛いかによってツボが違いますし、手のひら側と手の甲側では左右を間違えやすいので、慌てずにしっかり確認してくださいね。


基本中の基本、確かにその通りです。まさかと思うところに原因があったとして、知らないうちは良かったけれど、知ったが最後、あとは自分次第ですよね。こうして書いている間中、耳も胸も痛いですが、一灸先生だって葛藤しているとなれば、ちょっと気が楽になる気もします。忙しいことを言い訳にするの、そろそろやめなくちゃ。さて、来月もお役に立てそうなお話を一灸先生に聞いてみますね。今回のように一灸先生に聞いてみたいことがあれば、お気軽に公式Facebookにメッセージください!

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。