女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.35 タコ・魚の目 その1「触るな、キケン!」

2017.09.14

素足で過ごすことも多かった、夏。靴下に守られていない分、足の裏が硬くなったり、乾燥したりしますよね。いつの間にかできちゃったタコや魚の目。今月はそんな足の裏のトラブルについて、一灸先生に聞いてみました。

食べ過ぎるとタコ・魚の目ができる?

まず、なぜタコや魚の目がなぜできるのか。タコは、一か所に何度も同じような刺激が加わることで皮膚が硬くなった状態です。ペンダコや座りダコなどがイメージしやすいでしょうか。これは、皮膚が刺激から身体を守ろうとしてくれている、ということ。ですから「もう!タコができちゃった!!」なんて怒らないでくださいね。もしこうして皮膚が守ってくれなければ、とても痛い思いをすることになると思います。
魚の目は鶏眼とも言い、中心に目のような芯がある状態。痛みのある・なしなどの違いはありますが、できる原因はタコと同様に、同じ場所に繰り返し刺激が加わることによる、皮膚の硬化です。実はタコや魚の目ができる場所と臓腑はつながっていて、できる場所によって、臓腑の不調を測れるからです。
足裏のタコや魚の目が現れる場所と臓腑の関係を説明しましょう。
人差し指と中指の下は脾経と胃経。女性の不調のテーマでもお話ししましたが、脾経は他の臓腑を温めたり、食物から精を作る仕事をしていますから、脾経が弱れば、他の臓腑が冷え、エネルギー不足になってしまいます。ここのタコや魚の目がある、という人は、暴飲暴食に心当たりがありませんか? 薬指の下は胆経、肩こりがひどい人はここにタコや魚の目ができやすいです。小指の下は膀胱経です。親指の下は肝とつながっていますが、肝に不調があるからといってここにタコや魚の目ができることはあまりありません。むしろ、ここは歩く際にたくさん使ったほうが良い場所です。この点については次回お話しします。

足裏の痛みもSOSです!

タコや魚の目と臓腑の関係は、にわかには想像できないかも知れませんね。例として、胃に不調を抱えた人の流れを見てみましょう。
1.胃の調子が悪くなると胸椎の12番と腰椎の1番辺りがずれる。※あるいはこの辺りがずれることによって胃の調子が悪くなる場合もあります。どちらにしても胃に不調を抱えていると、この辺りがずれているということです。
2.頚椎の5番、胸椎の3番と8番、仙椎の1番にも歪みが生じやすくなる。※人間の身体は一か所でも歪むと、重心を保とうとして、他の場所も歪んでいきます。
3.身体の下部、仙椎の1番が歪むと、骨盤の左右の高さに影響し、脚長差が生じる。
4.脚の長さが違えば歩き方のバランスも崩れる。
5.着地のバランスを取るために、足の人差し指と中指の下辺りに負担がかかりやすくなる。
6.そこにタコや魚の目ができる。
これは何千年もの経験医学である東洋医学だからこその統計と言えるでしょう。実際に、胃潰瘍の患者さんで、足の人差し指と中指の下辺りに魚の目のある人がいて、「魚の目はいじらないでくださいね」と伝えていました。ところが、治療を重ねて胃潰瘍の症状が軽くなってきた頃、患者さんが自分で魚の目を取ってしまい、再び胃潰瘍がひどくなってしまったのです。これは珍しいことではなく、良くあるケースです。
胃に何かしらの負担がかかっていて、それ以上悪くしないために、魚の目という形で身体がSOSを出している、という考え方です。なぜタコとは違って魚の目に芯ができてしまうのかははっきりしていませんが、おそらく身体の中のどこか、具合の悪い部分があって、タコと違って痛みがある分、より強いSOSを発信しているのだと思います。ですから、胃のケアをせずにタコを削ったり、魚の目の芯を針でつついて取ろうとしたり、なかには直接もぐさを据えて芯を焼いてしまえ、という考え方もあるようですが、私はあまりお勧めできません。
女性は見た目にも嫌なのだと思いますが、助けてくれているんだから、どちらも無理に取っちゃダメ。気になるなら、今履いている靴の形を見直して足裏への負担を減らしたり、家に帰ってきたら硬くなりそうな場所をマッサージするなど、毎日こまめにケアをするのがいいでしょう。

「取っちゃダメ!!!」なんですね。まずはそれを肝に命じました。SOSを無視するどころか、よりひどい状態にしてしまいかねない、とは、人体の不思議に敬服するばかりです。それから、次回に持ち越された親指の下の部分。ちょっと気になりますね。では足の裏をたっぷりケアしながら、次回をお待ちください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。