女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.33 眼精疲労による頭痛その1〜その姿勢、危険です!〜

2017.08.10

携帯電話、パソコン、タブレット、みなさんはどの端末を使って、この記事を読んでくださっているでしょうか。いつもご愛読くださり、本当にありがとうございます。何度でも読んでいただきたい! と切に願う反面、気になるのが眼精疲労です。「目が疲れた」「目がかすむ」と感じることはないですか? 今月は眼精疲労とそこから来る頭痛について一灸先生に聞いてみました。

脳の血行不良だった!?
眼精疲労やそれに伴う頭痛に悩む人は多いですね。ただ、目が疲れると頭が痛くなる、というよりも、頚椎が歪むから目が疲れて頭痛も起こる、という解釈のほうがわかりやすいかもしれません。
生理学的にみると、人間の背骨は頚椎、胸椎、腰椎、仙椎で構成されていて、頚椎の脇を椎骨動脈という動脈が通っています。椎骨動脈は脳に血液を送る重要な動脈です。長時間正しくない姿勢を続けると、身体のあちこちに歪みが生じますね。もちろん身体の歪みはどんな場所でも良くないのですが、中でも、頚椎が歪むと脳へ血液を送る重要な血管が圧迫されて、脳の血流が悪くなってしまいます。脳は身体のあらゆる働きを司っていますから、当然、目がかすんだり、頭痛がしたり、時には耳鳴りなどが起こることもあります。
東洋医学的に説明すると、五行式体表で目は木に属しています。目とは、眼球そのものだけではなく、瞳孔の開閉や視点を合わせるという筋肉の働きも指しています。筋(筋肉)もまた、木に属する仲間です。そして、木の仲間の代表格といえば、おなじみの肝。肝は目の働きにも大きく関わっているということです。すべてではありませんが、頭痛の原因の多くは肝気上逆。肝が弱ると、肝の熱が上がってしまい、百会のあたりや目の奥など、頭部のいろんな場所に痛みが生じます。
  

繋がっていた、目と首と肝
目と肝が関係していると言われてもピンとこないかも知れませんね。では、次の方法を試してみてください。
1.まず首を左右順番に倒してみて、どちらが張ってるか、痛く感じるかを確認し、その感覚をしっかり覚えておきます
2.目から10-15cmほどの距離に人差し指を立てて、20回ほど指先と遠くを交互に見つめます
3.最初と同じように首を動かしてみてください
どうでしょう。最初に「張っている」「痛い」と感じていた部分が楽になっていませんか? 首の痛みが肝から来ている場合、目の筋肉を動かすことで肝が養われます。肝と頚椎の4番は繋がっていますから、肝を養うことで頚椎の4番の歪みがとれて、首が楽になるのです。
頚椎の歪みと肝の疲れ、必ずしもどちらが先とは言えません。目を酷使して頚椎がずれる場合もあれば、頚椎がずれて目が疲れやすくなっている場合もあります。私は、眼精疲労や頭痛などを訴える患者さんを診る際、ほとんどの場合、肝経のツボを使って頚椎の4番の歪みをとる治療をします。そうすると脳の血流が良くなるので、目の疲れや頭痛なども解消される、という訳です。
今はどこにいてもインターネットで調べ物をしたり、動画やゲームを楽しめる便利な時代です。仕事でパソコンを使う人もたくさんいるでしょう。もちろん私も使っています。慢性的な眼精疲労から来る頭痛で常備薬を手放せない、という話も良く聞きますが、長時間、画面を凝視する時は適度に目や身体を休める、猫背になっていないか、首を突き出していないかなど姿勢に注意をする、普段から良い姿勢をキープできるように身体を鍛える、こんな小さなことで、頭痛から解放されるかも知れませんよ。

確かに、こうして記事を書いている間も、人様にはお見せできない姿勢になってしまっているかも知れません。それにしても、またもや出ましたね、肝! まさか目の疲れや頭痛にも関係しているとは…。肝のセルフケア方法は何度もご紹介していますから、もうみなさんご存じですよね。いえいえ、やっぱり次回改めてご紹介します。大事なことですから。「え? 意外!」というセルフケア方法も一灸先生に聞いてみていますよ。姿勢に注意しつつ、次回を楽しみにお待ちください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)
文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。