女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.32 ぎっくり腰 その2 〜歪まない人はいない〜

2017.07.27

日常の生活のクセや身体の歪みが、あの激痛を引き起こしていた、ということがわかった前回のお話し。今回は、なぜ歪むのかをもう少し詳しく迫ります。もちろん、ぎっくり腰のツボの場所も一灸先生に聞いてみました。

ぎっくり腰にも肝・腎・脾
歪みの主な原因は生活習慣にある、とお話ししましたが、それは何も姿勢などの外的要因だけではありません。腰椎の歪みに関わる臓腑があります。
まずは肝。ストレスや瘀血など肝に負担がかかると、肝兪というツボのある胸椎の9-10番が歪みます。また骨の配列上、肝兪と関連しているのが、腰椎の4-5番の近くにある大腸兪というツボです。胸椎9-10番の歪みが原因で、腰椎の4-5番が歪む。この小さな歪みから、バランスが崩れ、ぎっくり腰が引き起こされます。
次に腎です。睡眠不足や疲労の蓄積で腎が虚すると、腎兪というツボがある腰椎の2-3番あたりに歪みが出ます。
そして脾。冷たいものをたくさん摂ったり、電車やオフィスなどの冷房で身体が冷えてしまうと脾が弱ってしまいます。脾兪というツボは胸椎の11番の外側にあり、ここが虚して歪んでしまうと、やはりぎっくり腰を引き起こしやすくなります。
つまり、肝・腎・脾。五十肩の時にもお話ししたとおり、この3つの臓腑が弱ることで、身体のあちこちにトラブルが生じやすくなるという訳ですね。
養生することで予防になりますが、もしぎっくり腰になってしまったら、まずは安静にして、腰痛点とも呼ばれるツボ、腰帯点(ようたいてん:手の甲、人差し指と中指の骨が交わる点、中指と薬指の骨が交わる点)をマッサージしたり、両小鼻を優しくさすったりしましょう。ぎっくり腰のツボは背中や腰に多いので、決して無理はせず、少し動けるようになればお灸でのケアもおすすめです。
まずはベースの関元と三陰交。三陰交は肝・腎・脾が交わる場所ですから、欠かせませんね。
肝なら、肝兪(かんゆ:胸椎9-10番の間から1.5寸外側)と太衝(たいしょう:足の甲、親指と人差し指の骨の合流点手前のくぼみ)。
腎なら、腎兪(じんゆ:腰椎2-3番の間から1.5寸外側)と湧泉(ゆうせん:足裏、足指全部を内側に曲げた時にできる、への字型のくぼみの中心)。
脾なら、脾兪(ひゆ:胸椎11番から1.5寸外側)と隠白(いんぱく:足親指の爪、外側の付け根)にお灸をしましょう。

絶対安静の状態を作り出している?
そしてぎっくり腰のほとんどの場合、ずれが生じているのが大腸兪(だいちょうゆ:腰椎4-5番の間から1寸外側)です。腸内環境を整えることは、ぎっくり腰の予防という点でもとても大切なことですよ。
もしかしたら、内臓の大きな病気にならないよう、身体が自らぎっくり腰を引き起こした、ということもあるかも知れません。まさか! と思う人もいるでしょうが、いつもお話ししているように、身体は全て繋がっていて、何かあればきちんとサインを発信してくれている、というのが東洋医学の考え方です。身動きが取れないほどの腰の痛みでSOSを発信し、絶対安静にしてもらわなければ未病の段階で自然治癒することが出来ない、という身体の訴え。そう考えれば、無理は出来なくなりますね。
身体が歪まない、なんて人はなかなかいないと思いますが、生じてしまった歪みを直す力のある人とない人はいます。先天の精(生まれ持った、免疫力などの力)が強ければ、極端に言うと寝ている間に多少の不調は治してしまいます。ただ、後天の精(生きている上で得た力)も重要です。バランス良い食事と十分な睡眠、そしてセルフケアでしっかり養生をする。こうやって後天の精を蓄えることで、大人になってからでも自然治癒能力を高めることは可能なのです。

毎度思うのは、身体って本当にコツコツ頑張ってくれてるなあ、ということ。健気な身体の頑張りやSOSをないがしろにして、良いことはありませんね。梅雨も終わったし、涼しい時間を選んで、ポールウォーキングに励まなければ! と思いました。みなさんは、後天の精を蓄えるためにどんなことに気をつけますか? 一灸先生に聞いてみたいことがあれば、お気軽に公式Facebookにお寄せください。では次回もお楽しみに。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)
文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。