女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.30 女性特有の不調 その2 〜“複雑なワタシ”を慈しみませんか〜

2017.06.22

女性の身体が複雑かつ繊細であること、その複雑さと繊細さこそが次の生命を生み出すための特別な力であることを改めて確認した前回のお話。では、繊細な身体を健やかに保つため、どんなセルフケアが出来るのでしょうか。一灸先生に聞いてみました。

何が負担? 何がいけない?

不定愁訴があるということは、身体の中で何かしらの不調が生じているということです。まずは肝と腎と脾、この3つの臓腑がどんなことを負担に感じるのかについてお話しましょう。

まずは肝。毎回のように登場する、私たちが生きて行く上での最重要器官です。肝は精神的なストレスの影響を受けやすい臓腑。ストレス発散はもちろんですが、ストレスを感じないこと、ストレスを感じる環境に身を置かないことが理想です。いつもより穏やかな気持ちで生活をすれば、腹が立つことも減るかも知れません。ほんの少し気持ちを切り替えるだけなら、すぐにでも試せるのではないでしょうか。また、偏った食事も肝の負担です。ビタミンやミネラルなどの微量栄養素をたくさん摂取することで、臓腑に十分な栄養を与えましょう。お酒の飲み過ぎは言わずもがな、ですね。

次に腎。腎に一番負担をかけるのが睡眠不足です。仕事があって忙しく働けるのは幸せなことですが、睡眠を十分に取れないようでは本末転倒。腎が虚してエネルギーが不足してしまいます。また腎は精を司る臓腑ですから、精の使いすぎにも注意が必要です。簡単に言うとセックスのしすぎ。精を使いすぎれば腎に負担がかかりますから、疲れているときはあまり無理をしないことです。

そして脾。脾にとって冷たいものの摂りすぎは厳禁です。また、甘いものの摂りすぎも要注意。脾は他の臓腑を温めたり、食物から精を作り出す仕事をしています。冷たいものや甘いものを摂りすぎて、脾の働きが弱まれば、他の臓腑が冷えますし、食物から摂ったエネルギーが全身に行き渡らなくなってしまいますね。脾と胃は土に属する仲間ですから、暴飲暴食も脾の負担になります。

  

肝・腎・脾が交わる場所

生活習慣や食生活を見直すだけでも、かなり臓腑の負担を減らすことにつながりますが、さらにお灸を取り入れると良いでしょう。今回おすすめするツボはズバリ、関元と三陰交の2つ。毎回登場するベースのツボです。

まずは三陰交。その名の通り、3つの陰が交わる場所です。その3つというのが、女性特有の不調と深く関わっている、肝・腎・脾。ここ1か所で3つの臓腑を一度にケア出来るのです。場所は、足の内くるぶしから3寸(自分の指4本分)上です。

次に関元です。関元は元気が湧いてくるとも言われる、エネルギーの源のような場所。肝をケアする時には必ず用いるツボです。場所は、ヘソ下3寸(自分の指4本分)。関元も、肝・腎・脾の経絡をまとめる任脈という流れにあり、任脈は子宮につながっています。

どちらも月経痛や月経不順、更年期障害など女性特有の不調の際には必ずと言っていいほど使われるツボです。

この2つを女性の身体のベースのツボと呼び、毎日欠かさずお灸してください、と常にお話する理由をわかっていただけたでしょうか。腰や背中などと違い、自分一人でもお灸しやすい場所にあるので、ぜひセルフケアしてみてください。

いつものお灸で3つの臓腑を一度にケア出来ていたなんて、なんだかお得な気がしてしまいました。自分の身体の不調は自分にしかわかりませんし、不定愁訴があったら億劫がらずに早めのケア、始めてみませんか? 次回も女性の身体について一灸先生に聞いてみますのでお楽しみに。もし気になるテーマや聞いてみたいことがあれば、公式Facebookからお気軽にお寄せください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。