女性のカラダ

一灸先生に聞いてみましたvol.26 季節の変わり目のセルフケア“春編”その2 〜心も身体も整えるツボ〜

2017.04.20

冬の寒さから解放され、彩り豊かな景色につい浮き足立ってしまう春。お花見や歓迎会などイベント盛りだくさんですが、その陰で黙々と働く肝の存在を忘れてはいけません。ということがわかったからには、まずはできるだけストレスを溜めない、しっかり睡眠を取る、暴飲暴食を控えるなど、普段にも増して肝を労ることが、春の不調に対する最善の策と言えそうです。その上で、さらなるセルフケアのツボを一灸先生に聞いてみました。

ベースのツボは肝腎要!

まず試しに右の肋骨の下に自分で手を入れてみてください。もし痛くて入っていかないとすれば、肝が働き過ぎてむくんでしまっています。あくまでも目安ですので、痛かったからと言って必ずしも重篤な病気とは言えませんが、未病の状態にあるとは言えそうです。養生とお灸でしっかりケアしてあげましょう。もちろん痛みがなくてもケア不要という訳ではありませんよ。

肝のためのお灸といえば、いつもお話しているベースの三陰交と関元です。三陰交は肝・腎・脾、3つの経絡が交差することがその名前の由来となっています。関元は全身のエネルギーの源とも言えるツボで、人間にとって最も重要な場所のひとつです。ですから、今回ももちろん、ベースのお灸はもれなく行ってください。

めまいを感じる場合は、大敦(だいとん:足親指の爪の付け根、人差し指側の角)にお灸をしましょう。春のイライラにも大敦が良いでしょう。

偏頭痛、特に側頭部に痛みを感じているなら、光明(こうめい:外くるぶしから5寸上)です。

だるさや疲れやすさがあるなら、湧泉(ゆうせん:足裏、足指全部を内側に曲げた時にできる、への字型のくぼみの中心)へのお灸が良いでしょう。
 

春風が乱れを引き起こしていた!?

この時期になると生理周期が乱れたり、生理痛がひどくなるということであれば、隠白(足親指の爪の付け根、外側の角)にお灸してみてください。暖かくなったからといって油断して身体を冷やさないよう、注意も必要です。

前回も少しお話しましたが、春は心身ともに乱れやすい季節です。春と同じく五行の木に属する五悪気は風(ふう)。風は一か所に定まらず、動きも一定ではありませんね。風(ふう)と深い関係にある春もまた、体調や精神が乱れる、落ち着かないという特徴を持った季節です。イライラしたり怒りっぽくなって、しなくてもいいケンカをしちゃったり、いつものように感情のコントロールが出来なかったり、自律神経が乱れやすく、うつになってしまう、なんてことも実際に起こります。もしこの時期に体調や感情が乱れることがあったら、まずはひと呼吸おいて、あなたの肝が悲鳴を上げている姿を想像してみてください。今すぐ肝臓病になるぞ! と脅かすつもりはありませんが、文句も言わずに働き続ける肝のために、生活習慣を見直し、しっかり睡眠を取って休めてあげましょう。特に1〜3時(肝の時間)は熟睡していたいですね。

それから、肝機能には微量栄養素が必要です。微量栄養素とはミネラルとビタミンのこと。一度の食事でたくさんは摂りにくい栄養素ですから、毎食少しずつでも食事に取り入れると良いですよ。

肝は、目に見えなくても必死に頑張っている言わば分身なのですね。肝というと肝臓を連想して、「お酒を飲まないから大丈夫」なんて思いがちですが、認識を改めなくてはいけないようです。春は意外と気温の低いときも多く、身体を冷やしがちですし、環境の変化によるストレスも身体を冷やしますから、養生しながら春のうららかさを楽しみたいものですね。さて、次回も気になる話を一灸先生に聞いてみます。みなさんも一灸先生に聞いてみたいことがあれば、お気軽に公式Facebookからご質問くださいね。

 

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

IMG_5120

一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。