女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.18 腸内環境 その2 〜治ろうとする力〜

2016.12.15

大腸が肺や皮膚と繋がっていることがわかった前回。聞いてみると納得することが毎回あり、東洋医学には驚かされるばかりです。では大腸の異常を感じた時、どのようにセルフケアをすれば良いか。大腸の異常と言っても、便秘については以前しっかり聞いてみたので、今回はお肌のケアについて一灸先生に聞いてみました。

お肌のケアに大腸経絡

大腸の健康状態を知るために、大腸の経絡や募穴である天枢をみます。大腸に異常があれば、大腸の経絡上に湿疹や赤みなどの異常がみられたり、天枢を押すと痛みを感じます。また、皮膚に異常が現れた場合、私は大腸の経絡をとるようにしています。もちろん、現れた場所にもそれぞれ意味がありますが、例えば肝臓に関係する場所に赤い発疹が出た場合、肝の経絡のツボと同時に大腸の経絡のツボもとるのです。脳にそれぞれ司る各器官の分布図があるように、大腸にもそれぞれ繋がっている器官の分布図が存在するのかもしれませんね。

今回は皮膚に現れた症状をセルフケアしてみましょう。

一般的にシミと言われる肝斑(かんぱん)は関元と三陰交、陽谿(ようけい:手の甲側、親指を反らした時にできる2本の筋の中央)にお灸をします。二の腕の発疹が気になるなら、大腸経の陽谿に小腸経の陽谷(ようこく:手の甲側、手首小指側にある骨の出っ張りの際)です。お尻に吹き出物がある場合は、陽谿と一緒に胆経の懸鐘(けんしょう:外くるぶしの上3寸)にお灸をしましょう。かかとがひび割れたり、カサついているという人も多いのではないでしょうか。かかとは生殖機能と関係する場所です。年齢とともに生殖機能は徐々に衰えていきますから、若いときと比べると、かかとがカサカサになりやすいのかも知れません。陽谿と併せて脾経の三陰交にお灸をしてみてください。

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お灸はサポート

ここで、お灸をする意味について少しお話をします。私は時々治療という言葉を使いますが、一般的に病気や怪我をした時に病院に行って受ける治療とは、少し意味合いが違うかも知れません。東洋医学で用いられる鍼灸や按摩は、症状を止めるのではなく、どちらかといえば促すことが目的です。例えば、患者さんが頭痛を訴えているとします。その原因が頚椎のずれだった場合、当然頚椎を整えます。すると、頚椎がずれていることによる血行不良が改善し、次第に頭痛や目のかすみなどの症状が引いて行く。私たちの身体はとても良く出来ていて、異常を感じたら自力で元に戻ろうとします。その、自然治癒を促し、バランスをとるなどのサポートを行うのが東洋医学の治療です。ですから、鼻水が止まらずに辛いという時、同じようにツボを刺激しても、人によってはもっとたくさん鼻水が出てしまうこともあります。これは身体がデトックスをして正常に戻ろうとしているからです。毎回みなさんにご紹介しているツボも、あくまで一般的なものではありますが、みなさんのお悩み改善を促すための提案です。薬のような即効性は感じられないかも知れませんが、身体のバランスを整えて自然治癒を促す方法は、きっと何年先、何十年先の私たち現代人の健康を作ってくれるものだと思っています。

 

肝斑やかかとのひび割れにもお灸でのケア方法があるんですね。ピーリングやクリームでの保湿も良いけれど、内側からのケアになるなら、ぜひ試してみたいですね。さらに、お灸が身体のバランスを整えるものだというお話も大変興味深く、治ろうとしているなんて何だか自分の身体が愛おしくなりました。今年の「一灸先生に聞いてみました」は今回で終わりです。みなさん、年末年始は何かと忙しいでしょうが、セルフケアをして、身体をサポートしてあげましょう。そしてまた来年元気でお目にかかれますよう、良いお年をお迎えください。

公式facebookからいつでもご意見、ご質問など受け付けています。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。