女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.13 季節の変わり目のセルフケア“秋編” その1 〜エネルギーの交換、出来ていますか?〜

2016.10.06

季節の変わり目である春と秋は、不調が身体に現れやすい季節。秋は、何かと忙しかった夏が去ったあと、いつまでもだるさや疲れが取れにくく、体調をコントロールするのがなかなか難しいですよね。そこで10月のテーマは「季節の変わり目のセルフケア“秋編”」。この季節、身体にどんな変化が起こって、どうケアしたらいいのか。一灸先生に聞いてみました。

「秋の3か月間で冬支度」

夏バテとは秋に感じる夏の疲れのことです。秋は大体9〜11月の3か月くらいの間。夏に冷たいものを摂り過ぎると、胃腸が冷えて疲れてしまいます。特に今年の夏は猛暑や台風、大雨など、天候で日常生活のペースが乱されることも多く、クーラーを使う機会が多くなったり、屋内にこもりがちで運動不足になったり。そうすると身体に何が起こるかは、以前お話しした五行色体表をもとに説明するとわかりやすいかもしれませんね。
本来、人間の身体は季節に合わせたエネルギーの交換を行うことで、健康を保っています。秋は五行の金に属し、肺、大腸、皮膚などが活発に働く時です。ところが、夏に養生をしていないと、秋になっても夏の気を上手に身体の外に出せません。しかも、五悪気の「燥」の字でわかる通り、空気が乾燥しているため、汗をかきにくく、より一層、夏と秋のエネルギーの交換が出来ない状態になってしまいます。そうすると、肌荒れを起こしたり、喘息の発作が出やすくなったり、便秘気味になったりするのです。だるさや疲れも、やはり夏の気が体内に滞っていることが原因でしょう。

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「汗をかいて気の交換」

ではどうすれば良いか。汗をかき、体内で滞った夏の気を吐き出すことです。スポーツの秋と言いますが、身体を動かしてしっかり汗をかくのが良いでしょう。サウナで汗をかくのもいいですが、まずは身体を動かすことをおすすめします。
食事でも身体を温めて汗をかくことが出来ます。まずは五行色体表の五味を見ると、秋と同じ金に属しているのは辛味。漢方で辛味に分類されている食材は、にんにく、しょうが、ねぎ、にら、生の玉ねぎ。これからの季節なら春菊、小松菜、かぶ、大根、ごぼうも身体を温めます。スパイスなら唐辛子、胡椒、山椒。ハーブはシソ、ミント、パセリ、パクチーです。味付けや食材選びの時、少し意識するだけでも十分なセルフケアになります。このように工夫して汗をかき、夏の気を体外に吐き出すことで、冬支度に必要な秋の良い気が体内に入ってきます。
余談ですが、五行色体表の五志を見ると、秋は悲(慮)です。人は悲しい時、胸を張るのではなく、前かがみにうなだれます。肺が圧迫される姿勢なのがわかるでしょうか。また、冬の五志は恐(驚)です。人は驚くと仰け反りますが、急に仰け反ると腰を痛めてしまいます。同じく冬の五蔵は腎。腎は腰にありますね。こうして見てみると、やはり東洋医学は理にかなっていますし、少しは面白さをわかってもらえるかもしれません。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。