女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.04 〜東洋医学でセルフケア入門 その4〜いよいよツボに入ります〜

2016.06.02

私たちが陰陽五行説という不思議な法則に組み込まれ、守られていることがわかったところで、実際に知りたいのは、不調の改善方法。「辛いのは嫌だけど出来れば化学薬品には頼りたくない」という女性が増える中、東洋医学のアプローチに期待が高まります。まずは女性の不調の代表的なツボについて一灸先生に聞いてみました。

やっぱり肝がキモだった!

女性の不調の代表格と言えば何でしょうか。生理不順、PMS、更年期障害、冷え性、生理痛、不妊症など。東洋医学ではこれらの病名で治療を行わない、と以前お話しましたが、もちろん相談そのものを受け付けていない訳ではありません。具体的な症状から、全身を診て証を立てます。前回、PMSを月経前に起こる不定愁訴と考えた場合の原因についてご説明しました。月経前に頭痛やイライラしたり、集中力がなくなるという症状が生じたら、私はまず肝を診ます。集中力がなくなる(思いにふける)、というのは五行色体表で見ると土だから「肝ではなく胃でしょう」と思われるかもしれません。確かに、舌を診ると白苔で舌が真っ白、特有の口臭もあるなど胃が悪い症状が見られますが、月経前というのがポイントです。前回お話しした通り、頭痛やイライラは気が上がりすぎた状態。
それは肝が激しく動いていることを示しています。日々の食事やストレスに加え、月経に向けて大量のホルモンを出さなければいけない大忙しの肝は熱を持ち、その熱が肝の隣の胃に移ってしまうのです。つまり、肝の熱を下げてあげれば、胃の不調も改善されるという訳です。

女性に基本は3か所のツボ

まず上がりすぎた気を下げるためには足にツボを取ってお灸をします。ツボの名前は三陰交(さんいんこう)。場所は両足の内くるぶしの頂点から自分の指で4本分上の押すと痛い部分です。三陰交は、肝・脾・腎の3つの陰の経絡が交わるツボです。イライラは肝、脾は胃と表裏の関係、月経前の眠気は腎。眠くなるのはいいのですが、睡眠の質を上げて、疲れを取るために腎も使います。この3つの効果を一度に得られる三陰交は絶対に外せません。極端に言えば、ここだけやっていればいいくらい。ただ、肝を癒すために関元(かんげん)も取ります。場所はおへそから指4本分下。元気の元締めの名を持つ関元も瘀血の改善には欠かせないツボです。
お灸は市販のもので構いません。初めは熱いと感じたらすぐに取ってしまっても大丈夫。両足の三陰交と関元、この3か所はPMSに限らずほとんどの女性に有効な「女性のベース」とも呼べるツボです。どんなに忙しくてもこの3か所をお灸しておけば間違いありません。
女性だけでなくすべての現代人にとって重要なポジションである肝。ここをどれだけ癒せるかが、私たちの不調改善のポイントと言えそうです。その方法として伝授されたお灸。次回はお灸について詳しく一灸先生に聞いてみます。
三陰交

関元

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。