女性のカラダ

一灸先生に聞いてみましたvol.03 〜東洋医学でセルフケア入門 その3〜東洋医学は“5”が司っている

2016.05.19

現代人の不調の大きな要因である瘀血と、その瘀血が女性の不調を引き起こす仕組みについては前回までのお話。今回は、東洋医学独特の五行説と、女性の不調の代表的なものについて、一灸先生に聞いてみました。

すべては繋がっている?

東洋医学では自然界のすべてが、木・火・土・金・水の5つに属していることは以前お話しました。もう少し詳しく説明すると、木のグループには肝、胆、目、筋肉などが属し、味覚は酸味、感情は怒り、季節は春。これらは密接に関係していて、肝が弱ると疲れて酸っぱいものを食べたくなったり、イライラしたり、怒りっぽくなります。また、目が悪くなると肝を診て治療します。もちろん、人間の身体は繊細かつ複雑で様々な要因が絡み合って不調を生みますから、身体全体を診て証を立てますが、東洋医学にはこのような「五行説」という独特の法則が存在し、数千年もの間それを基本としてきたのです。中でも、肝はこれから女性の不調についてお話する際に頻繁に出てくる臓。とは言っても、肝臓という臓器そのものだけを指す言葉ではありません。血を体内に滞りなく巡らせ、血(血液や栄養、エネルギー)の貯蔵、デトックスといった働きや作用のことを指しています。肝に変調があると、血の巡りが悪くなり、瘀血や血虚を原因とした血の道症にも繋がりますが、実は血の巡りには同じく均等に巡る気の力が必要です。
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東洋も西洋も「肝」が要

例えば、月経前にイライラするPMS。東洋医学にPMSという病名はありませんが、このような不定愁訴で悩む患者さんもよくいらっしゃいます。この場合も原因の多くは瘀血。「なぜ月経前になると血の巡りが悪くなるのか」と疑問に感じるかもしれませんが、気・血の巡りが良ければ、そもそもPMSのような症状は生じません。気・血の巡りが悪くなり、気が頭の方に上がりすぎることでイライラするのです。ですから、こういった症状を訴える患者さんに場合、私はまず肝を診ます。陰陽五行説の木のグループで、肝に紐づく感情は怒だからです。月経前に思いにふけってしまうようなら胃、悲しくなる場合は肺。ちなみに、女性の身体のリズムを司るエストロゲン、プロゲステロンといったホルモンの働きも、東洋医学の考え方では血に含まれますし、西洋医学でもホルモンを製造しているのは肝臓。アプローチの方法は異なっても、こうして交わる点もあるのは面白くもあり、説得力を感じる部分でもありますね。

もちろん、瘀血にならないように気をつけるべきですが、すでに瘀血の状態である人が多いのも事実。では、この瘀血を改善するために、東洋医学ではどんな方法をとるのでしょうか。次回からは、瘀血の改善を助けてくれる方法などを一灸先生に聞いてみます。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。