女性のカラダ

一灸先生に聞いてみましたvol.02 〜東洋医学でセルフケア入門 その2〜東洋医学で診る女性の不調〜

2016.05.07

前回は東洋医学とはどんな医学で、私たちの不調をどのように診るのかについて、一灸先生に聞いてみました。現代の医療の一般常識される西洋医学とはおおよそかけ離れたその方法は、東洋で数千年もの間、継承されてきたもの。その理屈には、不思議な説得力を感じます。今回は、もう少し詳しく東洋医学を掘り下げながら、女性の不調をどう診るかを一灸先生に聞いてみました。

陰陽、2つのバランスの乱れの原因とは

東洋医学では身体のエネルギーの状態をマイナスとプラス、陰陽で考えます。「汗っかきだから冷え性じゃない」と思いがちですが、その汗はマイナスの汗の可能性もあります。陰陽はバランスが重要です。運動をして身体が温まると陽のエネルギーが増えて汗をかく。それとは別で、何らかの原因で陰のエネルギーが減っても汗をかきます。バランス的には陽が増えても陰が減っても同じ段差ですが、これは「陰虚(いんきょ)」と言って、身体の不調が現れた状態。身体が冷えている場合も多く、放っておくと何かの病気を引き起こすかもしれません。
陰虚は現代の日本人に多い状態です。主な原因は食生活の乱れやストレス、睡眠不足による瘀血(おけつ)。東洋医学では内臓などの生理的活動を表す「気・水・血(き・すい・けつ)」のバランスも重要ですが、現代人の不調の多くが「血」に問題がある瘀血によるものと言っても過言ではありません。「血」は単に血液だけでなく、栄養分全体を表すもの。瘀血は血液の汚れや滞りと思われがちですが、少し違います。
003

女性の不調の代表格は「瘀血」

瘀血というのは、とてもわかりやすく言うと肝臓が悲鳴を上げている状態。肝臓はホルモン分泌、糖代謝、造血など、非常に多くの重要な役割を担い、何も言わずにただひたすら「おしん」のように働いています。それに加えて、睡眠不足、暴飲暴食、服用薬の常用や精神的なストレスなどの負担がかかると、肝臓はオーバーワークとなり、うっ血して仕事ができなくなってしまいます。「お酒を飲まないから肝臓は元気」なんて過信は危険です。
肝臓は、門脈という静脈を経由して口から入った栄養素を小腸から受け取り、人間の身体に必要な状態に分解して心臓に送っています。ところが、肝臓がオーバーワークになると受け付けられずに小腸へ逆流してしまいます。この状態こそが瘀血。逆流した血液は小腸や、女性の直腸と子宮の間に位置するダグラス窩(か)に溜まってしまう。だからこそ、瘀血が婦人科系の病気を引き起こす原因と言われているのです。血が血液とイコールではない、など、一般常識とはやはり少し違った独特のルールを持つ東洋医学。ですが、そのルールにこそ、体調不良や病気の根本改善のヒントがあるような気がします。次回は、東洋医学の独特のルールについてもう少し詳しく一灸先生に聞いてみます。
002

 

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

IMG_5120

一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体法、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。