女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.51 爪の悩み その1「爪に映るは身体の内側」

2018.05.10

こんにちは。ゴールデンウイークや衣替えなど、大忙しの毎日を送っていることと思いますが、みなさん養生していますか? 今回のテーマは、爪です。ある30代男性プログラマーとの打ち合わせ中、「10代のころから爪が縦に割れ続ける」というお悩みから、これは女性も気になる部分だろう、ということで、詳しいことを一灸先生に聞いてきました。


爪を見れば過去がわかる!?
この男性の爪は、たくさんの縦線が入っていて、新しく生えてきたと思ったらすぐに縦に割れてしまう、という状態です。写真で見ても、爪の表面が凸凹していたり、部分的に薄かったりしています。爪は五行式体表で見ると、肝と同じ仲間です。ですから、一言で言ってしまえば、彼は肝に負担がかかっているのでしょうね。肝に負担がかかっている、ということを前提にして、爪に縦に筋が入るのは食べ過ぎや乾燥、加齢が原因と言われています。それから、彼の爪を見ると、縦の筋もそうですが、白っぽいのがわかります。爪が白っぽいのは、肝機能の低下や貧血などが原因です。また横向きに波打っているようにも見えますが、これは食事のバランスがあまり良くないときに起こる状態です。爪は半年に一度生え変わります。つまり根元から先端まで、爪に過去半年間の身体の状態が映し出されている、ということです。爪のちょうど真ん中あたりに波打っているような横線がある場合、3か月ほど前に暴飲暴食したかも、インフルエンザにかかっていたな、など、いわば年輪のように過去の状態が刻まれている訳です。体調が悪い時は爪もすんなり伸びずに止まったり歪んだりするのでしょう。面白いですね。また、爪が欠けるのもやはり貧血気味。爪と血? と不思議に思うかも知れませんが、肝は血を司る臓腑ですから、五行色体表を見れば納得できます。
この男性はまだ30代と若いですし、10代のころから同じ状態が続いているという話ですから、もしかしたら先天的に肝が弱いという特徴があるのかも知れません。さらに仕事のストレスや食生活など日常生活の影響もあって、爪に異常が現れているのでしょう。割れたり波打ったり白っぽくなったり、という身体からの信号が表に出ているうちにしっかり養生をしたほうが良いですね。

不摂生から重篤な病気の影まで
そのほかにも、爪の状態によって、いろんなことがわかります。
爪に白い点が現れるのは糖の過剰摂取が原因です。糖の代謝力には個人差や体調による差がありますので、どのくらい摂取したら現れる、とは言えませんが、その人にとっての摂り過ぎという目安になるかも知れませんね。白い点の位置によって、過去を思い出してみてください。甘いものを食べ過ぎていませんか? また、爪の半月がないのは新陳代謝の低下です。運動や食事に気をつけて代謝を上げる努力をしてみましょう。
それから、爪が反り返ってしまう、いわゆるスプーンネイル。これは鉄欠乏性貧血という病気の症状です。先ほどからお話ししている貧血気味、という程度ではなく、治療が必要なほどの貧血ですから、病院で受診してください。爪の赤みが強い爪は、逆に多血症といって心房細動や心筋梗塞など心臓の病気になりやすい人の爪です。五行色体表でも赤は心の仲間ですから、心の状態が爪に現れているのでしょう。心房細動が起こると血栓ができて、その血栓が心臓に行けば心筋梗塞ですし、脳に行けば脳梗塞にもなります。紫色の人も心疾患を起こしやすい血行障害の可能性があります。一度病院を受診してみましょう。
爪が緑色になるのは、グリーンネイルといって緑膿菌という菌に感染した状態です。ジェルネイルなどをする人は聞いたことがあるかも知れません。湿気を好む菌で自然環境のいたるところや人の腸内にも生息しています。放っておくと爪がポロっと落ちてしまうこともあるので、爪を清潔に保つことが大切です。


爪もまた、臓腑の状態を映し出す鏡なのですね。ジェルネイルなど、爪のおしゃれを楽しんでいる人も多いかと思いますが、たまにはおしゃれを休んで、身体の内側を映す鏡、覗いてみるのも良いかも知れません。さて、次回は爪に現れた不調のセルフケアについて一灸先生に聞いてみます。爪のケアをしつつ、楽しみにお待ちください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。