女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.50 髪の悩み その2「精を補う極意」

2018.04.26

髪の状態は腎の状態の現れである、ということがわかった前回。先天の精の不足も大きな原因とのことですが、生まれ持った精というからには、もう間に合わないの? その辺のことも含めて、髪の悩みの東洋医学的セルフケアについて、一灸先生に聞いてみました。


後天の精で補いましょう
先天の精が少なかったのだから、どうにもならない、という訳ではありません。後天の精もとても重要です。後天の精とは、生きていく上で得る力のこと。つまりこれからでもエネルギーを補うことで改善の余地は十分にあります。
まずはビタミンやミネラルなどの微量栄養素をしっかりと摂取しましよう。ミネラルとはカルシウム、鉄、亜鉛、ヨウ素など。食生活を見直してバランスの良い食事を心がけることが大切です。次に睡眠。もう何度も出て来ているので、「またか」と思われるかも知れませんが、人間にとって睡眠はとても重要です。真っ暗な部屋でたっぷり眠りましょう。寝る直前までテレビやパソコン、スマホなどの光に当たっていると、熟睡の妨げになります。質の良い睡眠をとるよう心がけましょう。ストレスも腎虚の原因です。とは言っても、ストレスのない生活を送ることは難しいですよね。大声を出したり、身体を動かしたり、お風呂に浸かったり、どんなことでもいいので、自分なりのストレス解消法を見つけて、自分を楽にしてあげましょう。

試してみたい、場所別ケア
お灸によるセルフケアも試してみる価値はあると思います。ベースのツボである関元と三陰交は忘れずにお灸してください。特に三陰交は肝・脾・腎の交わる場所ですから、お灸は必須ですよ。髪の悩みは腎虚ですが、大腸経の合谷(ごうこく:手の甲、親指と人差し指の骨の合流点手前のくぼみ)もお灸を試してほしいツボです。
それから、薄毛や白髪が特に気になる場所、というのがあれば、その場所に合わせてツボを取ってみるのもいいかもしれません。
頭頂部が気になるなら、肝経と督脈の通るところですから、大敦(だいとん:足の親指の爪、内側の下角)にお灸をしてください。
側頭部気になる場合は、胆経の陽舗(ようほ:外くるぶしから4寸上、少しスネよりのくぼみ)。
もみあげ部分なら胃経の天枢(てんすう:へその両外側3寸)と中睆(ちゅうかん:へそ上4寸)にお灸です。
生え際の両脇が気になるなら、膀胱経の崑崙(こんろん:足の外くるぶしから水平に後ろに進んだアキレス腱のへり)にお灸をしましょう。
また、実際に薄毛や白髪が気になる場所をマッサージして、血流を促進するのも良いと思います。マッサージをするなら、決して痛いと感じるほど強く揉まず、優しく気持ち良い程度にとどめることが大切です。


毎度私事で恐縮なのですが、実は70歳代半ばの母の白髪が、すっぽんジェンヌを食べ続けた結果、どんどん黒くなってきたのです。あ、決して、スッポンジェンヌを食べると髪が黒くなりますよ、という宣伝ではありません。ただ、薬膳では、すっぽんの肉は肝、甲羅は肝・脾・腎に帰経する食材。すっぽんジェンヌには甲羅ごとすっぽん全部が入っていますから、もしかしたら腎を養生できていたのかも知れません。本人は白髪を気に入っていたので逆に悩んでいますが、人間の身体って本当に正直だな、と驚くばかりです。みなさんもぜひ食生活や生活リズムなどを見直して養生してください。きっと身体は応えてくれます! 次回もみなさんのお役に立てるようなことを一灸先生に聞いてみますのでお楽しみに。公式Facebookからのご相談もお待ちしていますので、お気軽にお寄せください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。