女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.49 髪の悩み その1「髪は腎の鏡」

2018.04.12

春うららですね〜。みなさん、もうお花見には行きましたか? 何かと外出が多くなる4月のテーマは「髪の悩み」です。黒くつややかでたっぷりとした髪の毛に憧れている人も多いのではないでしょうか。そもそも、髪が多い人と少ない人とは何が違うのでしょうか。まずはそんなところから、一灸先生に聞いてみました。


お腹の中から始まっていた
五行式体表の五支を見てみましょう。髪は腎と同じグループに属する仲間です。五支とは五臓の精気が色ツヤに現れる場所ですから、腎虚のSOSを髪を通じて発信してるのでしょう。ボリュームがない、コシやツヤがない、傷みやすいなど、髪の毛に関する悩みは様々ですが、その原因は栄養とエネルギー不足です。腎虚でいつもお話しする睡眠も深く関係します。髪の毛に元気がなくて悩んでいる人は、疲れやすかったり、疲れが溜まりやすかったり、眠りが浅かったりするのではないでしょうか。
そもそも、生まれつきの髪質で悩んでいる、という人もいるでしょう。私も生まれたときから本当に髪の毛が少なくて、すごく柔らかかったのです。赤ちゃんの頃は365日のうち、300日風邪を引いていたような子でした。はっきりとした持病があるという訳でもないのに虚弱なのは、先天の精の不足が原因です。先天の精とは、両親から受け継いで持って生まれたエネルギーのこと。例えば、お母さんのお腹の中でもらった栄養も先天の精です。ですから、お母さんが妊娠中に飲酒や喫煙、睡眠不足などの不摂生をしていれば、お腹の中の赤ちゃんに十分な栄養分が行き渡らず、先天の精が足りない状態で生まれて来ます。これはわかりやすく説明するための極端な例で、髪の毛の少ない赤ちゃんのお母さんが全員不摂生をしていた、ということではありません。先天の精が少ないDNAが受け継がれている、つまり遺伝的な場合もあります。また、いつもお話しするように個人差がありますから、お母さんが不摂生をしていても黒々とした髪の毛の赤ちゃんが生まれることもあります。そういう場合は、お腹にいた時の栄養不足がまた別の形で現れるでしょう。でも、いずれにしても髪の毛に元気がない原因が精の不足であることに変わりはないという訳です。

ショックで髪が真っ白に!?
婦人科系の病気で手術を受けたあと、髪が薄くなったという人もいます。大人になってから髪の毛が薄くなった、髪質が変わった、と感じる原因のひとつには、ホルモンバランスの変化もあるでしょう。毛髪は頭頂部は女性ホルモン、側頭部から後頭部は男性ホルモンが関係していると言われています。頭頂部が薄い場合は女性ホルモンが不足している、ということです。
また、白髪も腎としっかり関係しています。五行式体表の五色を見ると、黒は腎や髪と同じグループです。若白髪にはDNAの影響もありますが、年齢とともにエネルギー、つまり精がなくなってくることで髪を黒くできなくなっているのだと思います。強いショックを受けて一晩で髪が真っ白になってしまう、という小説を読んだことがありませんか? 実はこれ、本当にあることです。腎の五志(五臓の異常が発する感情)は恐や驚。東洋医学では「腎の精が傷(やぶ)れる」という言い方をしますが、強い恐れや驚きによって腎に大きなダメージが与えられ、五支である髪にそのダメージが現れるのです。
パーマやカラーリングによるダメージは別として、切れ毛なども腎が弱っているのでしょう。髪の毛も細胞、しかも表に出ている言わば健康状態の結果ですから、細胞が弱ってしまった結果が髪の毛の状態ということ。要は、腎虚のSOSとして抜けてしまうか切れてしまうか、白くなってしまうか、の違いだけなのです。元気な人は髪の毛を見ればわかります。キューティクルが光ってつやつやしていますし、動物もそうですよね。栄養、エネルギーなどの精気は毛並みや毛ヅヤに現れるのです。


髪と腎は深い関係にあったのですね。以前、ぎっくり腰の時にもご紹介しましたが、先天の精の不足は後天の精、つまり生きていく上で得る力で補うことが可能です。次回はその辺りのことも含め、髪の悩みのセルフケアについて一灸先生に聞いてみます。みなさん、薄毛や白髪の気になる場所を確認しつつ、お楽しみにお待ちください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。