佐賀iroha-n

たらカキ焼き海道(太良町)

2018.04.19

佐賀県の良かとこ、良か人、うまかもんをご紹介している佐賀iroha-n。今回みなさんに面白がっていただきたいのは、うまかもんというより、「うまか場所」です。


カキ焼き小屋発祥の地、太良町
佐賀県最南部、有明海に面している太良町は、別名「月の引力が見える町」と呼ばれています。その理由はあとからご説明するとして、とにかく1年中いつでもうまかもんを食べられるグルメの町です。海の幸山の幸なんでもありで、ご紹介したいうまかもんがたくさんあるのですが、今回は太良町の代名詞とも言える「カキ焼き海道」を取材して来ました。
みなさん、いわゆる「カキ焼き小屋」はご存じでしょうか? 

広島や宮城などの牡蠣の産地ではおなじみの、牡蠣を目の前で焼いて食べられる小屋です。最近では産地のみならず、都心部でも居酒屋と並んでカキ小屋の看板を見かけるようになりましたが、その発祥の地とも言われているのがこの太良町です。海産物直売所がドラム缶の網焼きで試食用の牡蠣を提供したのがその始まり。今では国道207号線沿いに、多い年で15軒ほどのカキ焼き小屋が並びます。

ふとか、あまか、ちぢまん竹崎カキ
太良町には「竹崎カキ」というブランド牡蠣があります。竹崎カキがブランド牡蠣と言われるその理由、まずは何と言ってもそのサイズで、大きいものなら1粒で150gほど! 殻の中にぎっしりと詰まっているその身は、焼いても縮みにくく、一口で頬張れば、その香りと旨味、ぷりぷりの食感で五感が支配されてしまいます。竹崎カキはなぜ火を通しても縮みにくいのか。それは、有明海の塩分濃度に秘密があります。有明海は塩分濃度が低く、そこで育った牡蠣の身も塩分濃度が低く、水分も少なめ。そのため、熱による収縮度合いが低いという訳です。さらに、旨味の濃さも段違い。有明海は干満差が6mもあり、干潮時には海底が完全に露出します。この、月の引力を目に見て感じられるほど干満差によって、海底が日光に晒され、遠赤外線効果でプランクトンが大量に育ち、そのプランクトンを食べた竹崎カキも栄養たっぷり、甘みの強い牡蠣に成長するのです。そんな豊饒な有明海で育つからこそ、他の産地とは比べ物にならないほど成長度合いも早く、他の産地であれば2年かかるサイズに半年から1年ほどで成長します。ほどんどのカキ焼き小屋では、竹崎カキ以外の牡蠣も扱っているので、いろんな産地の牡蠣と食べ比べてみるのも面白そう。竹崎カキの旬は10月〜3月いっぱい(お店によっては5月まで)ですが、それでカキ焼き小屋が次のシーズンまで閉店、とはならないのが太良町のすごかところです(店舗によって、通年営業、冬季のみ営業など違いはあります)。


地元では「小ぶりの牡蠣をたくさん食べるのが好き」という方が多いのですが、やっぱり大ぶりの竹崎カキを口いっぱいに頬張りたいですよね!

牡蠣はお土産に買って帰ったり、地方に送ったりすることもできます。自宅で食べる時は、蒸すのが一番簡単で美味しい方法。蒸した牡蠣が余ったら、衣までつけてしまって冷凍すれば、カキフライにしても美味しく食べられるのだそう。

夏と冬、旬が2度来る竹崎カニ
竹崎カキと並んでカキ焼き小屋で味わいたいのが「竹崎カニ」。ガザミとも呼ばれるワタリガニの一種ですが、太良町竹崎島の近海で獲れるものだけが竹崎カニと名乗れます。身がギュッと締まって甘みが強く、パンチの効いた濃い味わいが特長。もちろんその理由も、竹崎カキ同様、恵み豊かな有明海で育まれたからこそ。さらに嬉しいのが、この竹崎カニ、旬が年に2度あるんです! 夏にかけてはミソが美味しいオス、冬は内子と呼ばれるオレンジ色の卵をたっぷり抱えたメスが旬を迎えます。特に、2月頃のメスは味がグッと濃くなり、あっという間に品切れになるほど。食べ方としては茹でカニが一般的ですが、お店によって焼きカニやカニ飯、カニ汁などいろんな楽しみ方がありますので、1年通してたっぷりと竹崎カニを堪能できます。

取材時は、残念ながら竹崎カニが売り切れてしまっていたため、以前太良町のカキ焼き小屋でいただいた茹でカニの写真を掲載。カニの身が甘くてびっくりしました!

手ぶらで楽しめる贅沢シーフードBBQ
竹崎カキ、竹崎カニ以外にも、帆立貝、タイラギ、シャコ、うちわエビ、クチゾコ(舌平目)、さらには豚肉、鶏肉などなど、海の幸だけでなくいろんな素材が揃っているので、家族や友達の中に牡蠣やカニが苦手な人がいても、みんなで楽しめます。

いけすや陳列棚から好きな食材を選んでお金を払い、座席の網で焼いて食べます。

今回取材にご協力くださった大成丸海産さんでは、新鮮な旬の食材が盛りだくさん! 特にうちわエビのお刺身とお味噌汁は最高でした。

もちろん、道具はすべてお店で貸してくれますので、手ぶらで行けるのも嬉しいポイント(炭代など、店舗によって違いあり)。美味しい牡蠣の焼き方も店員さんが親切に教えてくれるので、初心者でも安心です。ちなみに、牡蠣を焼くときは、平らな面を下にして網にのせ、水分が出始めたらひっくり返すと、貝柱も取れやすく美味しく食べられます。なおかつ牡蠣は網に対して平行に乗せるのがコツ! 牡蠣が爆ぜた時に水分がかかりにくいそうですよ。

たらカキ焼き海道に並ぶカキ焼き小屋は、有明海を眺めながら食事できるお店も多く、潮の香りがさらに美味しさを際立たせてくれます。

牡蠣やエビのアヒージョなど各店それぞれ看板メニューや調理法にも個性があるので、まずは国道207号線をドライブしてみて、その日の気分によってお店を選んだり、ハシゴしてみる、なんて楽しみ方もアリですね。ぜひぜひ、有明海を眺めながら獲れたてぷりぷりのシーフードBBQを堪能してください!


太良町観光協会
佐賀県藤津郡太良町大字伊福甲3488-2 道の駅太良 観光案内所内
0954-67-0065
営業時間 9:00〜18:00(1月1日〜3日定休)

大成丸海産
佐賀県藤津郡太良町大浦丁1878-1
0954-68-2170
営業時間 9:00~19:00(L.O.18:00/不定休)
※一部、大成丸海産さん以外の店舗で撮影した画像も掲載しています。