女性のカラダ

一灸先生に聞いてみました vol.47 お灸の話「今さら聞けないお灸の基本」

2018.03.08

こんにちは。ようやく3月、春の訪れに心躍りますね。最近、お灸について質問されることが増えてきました。「どれを選べばいいの?」「こんな時はどうずればいいの?」。新しい季節には気持ちも新たに、基本に立ち戻ることも大切ですよね。
そこで、3月はお灸やツボに関する基本的なことをもう一度確認すべく、今さら聞きにくいことも含めて、Q&A形式で一灸先生に聞いてみました。


「経絡って何?」「煙くても我慢しなきゃダメ?」
Q.ツボって、目には見えないけど、何のことですか? 
A.ツボは経穴(けいけつ)ともいい、東洋医学では気の出入口とされている場所です。経絡(けいらく)に沿って点在しています。何かしら身体に異常がある時の反応点であり、また鍼灸の施術点でもあります。

Q.よく肝経や胃経などの言葉が出て来ますが、経って何ですか?
A.経とは経絡のことです。経絡というのは、気血が流れている道のことで、身体を縦方向に走る経脈(けいみゃく)と、経脈から細かく分かれて身体全体に分布する絡脈(らくみゃく)の全部をまとめた呼び方です。各臓腑と繋がった流れがそれぞれ存在し、例えば肝と繋がっている経絡を肝経と呼びます。東洋医学の臓腑とは、西洋医学の臓器とは少し違っていて、肝は肝臓だけのことを指すのではなく、血を体内に滞りなく巡らせ、血(血液や栄養、エネルギー)の貯蔵、デトックスといった働きや作用のことを指しています。脾は五臓を温め、精を作る、腎なら精を貯めたり排出するコントロール、などそれぞれの働きや流れ、作用まで全てが臓腑です。

Q.お灸に挑戦してみようと思いますが、どこで買えばいいのでしょうか? また、ソフト、レギュラー、香り付きなどいろんな種類があるのですが、どれを選べばいいのでしょうか?
A.ドラッグストアでもいいし、今はインターネットでも簡単に購入できます。誰でも知っている有名なものを含め、お灸は何でもいいですよ。香りに関しては、気持ちをリラックスさせるためだと思います。だから好みのものがあれば、香り付きでもいいですね。ソフトやレギュラーなどは、熱の強さの違いです。火種と皮膚の距離で熱の伝わり方を調節するタイプが多いようです。初めてお灸をする、という人は、一番やさしいものから試すといいでしょう。

Q.マンションの部屋や旅先で使用するのに煙が気になってしまいます。煙が出ないタイプでも効果はありますか?
A.お灸は温熱効果を得るための治療なので、煙が出なくも問題ありません。私も治療の際には主にスモークレスのお灸を使っています。往診などで患者さんにお宅で治療することが多いのも、その理由のひとつです。もともともぐさの香りには癒しの効果があるので、煙と共にもぐさの香りが漂うのは良いことだと思います。ただ、もぐさの香りが苦手な人もいますので、我慢してまで煙が出るタイプを使う必要はないですよ。それからこれはとても大事なことですが、お灸をする際には絶対に換気が必要です。鍼灸院を建てる際にも法律で細かく換気設備のルールが定められています。お灸のツボによってはお腹を出すこともありますから、寒くない程度に、でもしっかり換気はしてください。

「チンするお灸でもいい?」「熱くても我慢したほうがいいの?」
Q.電子レンジでチンする、火を使わないタイプのお灸を見つけましたが、こういうものでも効果がありますか?
A.「お灸の温度」というものがあります。一般的に、紙を燃やすと200〜300℃、煙草の火は800℃程度だと言われています。それらに対して、もぐさの燃焼温度は70〜80℃です。優しい温度ですよね。だからもぐさを使うのです。私は電子レンジで温めるお灸を使ったことがありませんが、お灸の温度に近くて、ツボに刺激を与えることができれば良いと思います。

Q.お灸が熱くても燃え切るまで我慢したほうがいいでしょうか? まだ消えていないのに取り除いてしまうと効果は得られないのでしょうか?
A.我慢せずに取ってください。本物のもぐさのお灸であれば、熱いのはほんの一瞬だけです。熱い! と感じた次の瞬間にはもう消えています(米粒大の場合)。すごく簡単に説明すると、お灸はツボに熱い刺激を与えて免疫を集められたらいいのです。私は治療の際に「熱くなったらすぐに取るから言ってくださいね」と声をかけていますよ。ただ、火が消える前にお灸を取るなら、火傷には十分注意してくださいね。

Q.毎日同じツボにお灸をしているのですが、日によって熱く感じる時と全く感じない時があります。何が違うのですか?
A.体調の違いではないでしょうか。体調が悪かったりすれば皮膚の感覚も鈍くなって刺激を感じにくいのだと思います。そういう時は、刺激を感じるまで同じツボに何度かお灸をしてみてください。何度かお灸をするときは、2回や4回ではなく、3回や5回など、必ず奇数回で終わるようにしてくださいね。理由はちょっと複雑で専門的なので、「お灸は奇数回」と覚えてください。

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お灸は奇数、しっかり覚えておきたいですね。3回連続お灸、私はよくやっています。胃が痛かったり口内炎が出来ちゃったときには、へそ上4寸の中脘(ちゅうかん)にお灸を3連続。すると不思議なことに口内炎が引っ込んでしまいます。これ、本当です! 次回も引き続き、お灸とツボの基本をQ&A形式で一灸先生に聞いてみます。実はまだお灸していない、そもそも持っていない、という方は準備しつつ、楽しみにお待ちください。

話 一灸先生(治療室一灸 院長 森川まこと)

文 金子未和

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一灸先生
治療室一灸 院長 森川まこと
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、障害者スポーツ指導委員。鍼灸、マッサージのほか、操体術、ホメオパシーなどを用い、患者の状態や希望に合わせた治療を行う。地元はもとより遠方から通う患者さんも多く、「一灸先生」の愛称で親しまれている。