佐賀iroha-n

第18回 うれしのあったかまつり 宵の美術館

2018.04.05

今回の佐賀iroha-nは、よかとこです。毎年1月下旬から2月上旬にかけて嬉野温泉で行われる「うれしのあったかまつり」。和の灯りをテーマに、嬉野温泉街に灯篭やランタンを点して観光客をもてなす、よかイベントをご紹介します。


手作りの灯りで彩る歴史の街
嬉野温泉の冬の風物詩である「あったかまつり」は、今年で18回目。あちらこちらで伝統の灯りが揺らめき、嬉野の街を幻想的に浮かび上がらせます。

嬉野の真ん中に位置する本通り商店街に並ぶのは、高さ2mの百句百灯華灯籠。一般公募の百人一句がイラストとともに掲載された灯篭の数、なんと100基。日常の風景が切り取られた句とイラストが夜の静かな通りを照らしてくれます。

また、味わい深い絵手紙灯篭、百彩灯り(ももいろあかり)など、いずれも地元のみなさんの手作りなので、そのあたたかさもひとしお。週末には本場の嬉野茶やお酒などの「あったかふるまい」が開かれ、地元のみなさんとの交流がさらにあたためてくれます。百句百灯華灯籠の俳句は、毎年10月初旬〜11月末まで公募されていて、インターネットでも応募可能ですので、挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

嬉野の神と伝統をクリエイト
あったかまつりのメインパビリオンは、なまずの寝床(嬉野市体育館にて展示)。日本最大規模のランタン空間作品として、2017年に初めて実施された新たな試みです。ランタンアーティスト三上真輝さんと嬉野市のみなさんが共同制作し、1万4千人もの来場者を呼んだ昨年に続き、2年目となる今年は、より美しく幻想的なランタン空間を作り上げるため、さらに約100体のランタンを制作したのだそう。

川の流れの通路を抜けると、目の前に広がるのは川底の世界。古くから嬉野の地の守り神として祀られてきた豊玉姫の使いである「白なまず」と、彼女が支配する嬉野川の生き物たちの世界に一歩足を踏み入れれば、そのスケールの大きさと川底の住民たちの生き生きとした表情に、一瞬で心を奪われてしまいます。

ほんのちょっと目線が変わるだけで、全然違った見え方をするので、川底を何度も行ったり来たり。2階席に上がれば全体が見渡せて、川底の住民たちが一気に動き出すような躍動感に圧倒されます。

さらに、なまずの寝床で重要な役割を果たしているのが、会場内で流れる音楽です。世界的なサウンドデザイナーのマーク・ファーリーさん作の「なまずの寝床サウンドトラック」は、イギリス出身、嬉野在住のファーリーさんが、嬉野の伝統に感じ入り、白なまずの目覚めから眠りにつくまでの1日を表現したもの。川底の世界とその住民たちをより身近に、また彼らの表情をより豊かで魅力的に感じさせてくれます。

このランタン空間作品を全部作り上げるために、のべ300名が参加し、準備にかかった時間は約4か月! 1人でめだか1尾を仕上げるのには2週間も必要だったのだとか。

歩いて感じられるぬくもり
日が落ちるとさまざまな光の作品が浮かび上がる嬉野の街は、「宵の美術館」のタイトルそのもの。今は嬉野温泉の冬の風物詩ですが、ゆくゆくは365日季節ごとの灯りで嬉野の街を彩りたい、そんな思いを込めて開催されています。イルミネーションやプロジェクションマッピングも素敵ですが、灯篭やランタンの柔らかであたたかな灯りは、日常から身も心も解き放ってくれるよう。
実際に灯篭の灯りを頼りに嬉野の街を歩いてみました。気温マイナス1.0℃のなか、約50分の夜さんぽ。頬っぺたがちぎれるかと思うほどの寒さでしたが、柔らかな灯篭の灯りを眺めていると、不思議とほんのり温かい気がするのです。昼間なら、誰でも足湯を楽しめる温泉広場が2か所、カフェやお土産物屋さんもたくさんあるので、のんびり寄り道しながらなら1時間でも2時間でもおさんぽを楽しめそう。
ぜひ、来年のこの季節は、家族やお友達、大切な人と一緒にあったかまつりであったまってください。


主催 うれしのあったかまつり推進協議会
問い合わせ 一般社団法人 嬉野温泉観光協会
佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙2202-55
TEL 0954-43-0137
営業時間 9:00~18:00